京野菜の魅力

美味しさ + 健康機能性

 京都は都として1000年以上の歴史を持ち、人々の往来とともに、また、宮廷や寺社への献上品として、全国各地から優れた野菜が集まってきました。これらは、寒暖の差が大きく肥沃な京都の気候・風土のもと、宮廷料理や懐石料理、おばんざいなど豊かな食文化とともに磨きがかけられ、現在まで京野菜として伝えられてきました。
 京野菜は、一般の野菜と比べ、形や大きさ、彩りが異なるものが多く、独特の風味を有しています。近年、京都府立大学等の研究により、京野菜には機能性成分が豊富に含まれることが明らかになってきています。

みず菜

 シャキシャキとしたくせのない味わいで、葉に長い切れ込みがあります。
 畑の畝間に流水を引き入れて栽培したことから、「水菜」と呼ばれるようになったと言われています。
 従来は鍋料理が代表的な食べ方でしたが、近年は、お浸しやサラダにも使われ、和食だけでなく、フランス料理や中華料理などにも幅広く用いられています。
 ビタミンEや食物繊維が豊富に含まれています。

九条ねぎ

 まっすぐに伸びた緑の葉が柔らかく甘みがある「葉ネギ」の代表です。
 京の都の南部に位置する九条付近は、肥沃な土壌が堆積し、良質なネギが栽培されたことから「九条ねぎ」の名がついたとされています。
 緑の葉にカロテンやビタミンB1、B2が多く含まれています。また、葉身に蓄積された粘液(ネギあん)は水溶性食物繊維を多く含みます。

紫ずきん

 丹波黒大豆から生まれた秋の枝豆で、粒が極めて大きく、モチモチとした食感、強いコクと甘みが特徴です。
 ほんのりと紫色がかった豆の姿を頭巾を被った様にたとえ「紫ずきん」と名付けられました。
 良質のタンパク質をはじめビタミンCやカルシウムなどを豊富に含んでいます。

京かんざし

 根も葉も食べられる若どりの金時にんじんで、平成21年にデビューした京野菜の新品目です。
 赤色の根と緑色の葉のコントラストが美しく、かわいらしい姿をかんざしに見立て、「京かんざし」と名付けられました。
 根にはトマトと同じ赤色の色素で機能性が注目される「リコピン」を多く含みます。

桂うり

 京都市西京区桂地区で古くから栽培されてきた白ウリの一種で、奈良漬用として利用されてきましたが、戦後は栽培が減り、栽培農家が1戸まで減少していましたが、今は4戸で栽培されています。
 近年、果実が熟するとマスクメロンを超える芳醇な甘い香りを持つにもかかわらず、糖分・カロリーが低いことが見出され、栽培復活の取り組みとともに、その特徴を活かしたスイーツ等の商品開発が進められています。
 最新の研究では、香気成分の機能性も明らかになってきています。

佐波賀だいこん

 根元が太く尖った形、タンポポの葉のような特徴的な葉を持った個性的なダイコンです。水分が少なく、身が引き締まっていることから、ダイコンおろしや煮物に適し、葉も美味しく食べられます。
 舞鶴市佐波賀地区の発祥で、昭和30年代には舞鶴市で盛んに栽培されていましたが、栽培期間が長いことや引き抜きに力がいるため、生産者が減少し、ほとんど栽培されなくなっていました。
 近年、個性的な姿や昔ながらの味の良さが見直され、栽培復活の取り組みが進められるとともに、根の辛味成分や葉の機能性について注目を集めています。